東北シクロクロス#1 向山浩司

山形のUCIレースに出てきました。

前回の富士山が踏めなくて情けないレースをしてしまったので、先週はしっかり練習し金曜日辺りは脚パンだったのですが、思い切って土日両方店を休み、余裕を持ってさがえに前日入りして体力回復に努め、当日はコンディションもイイ感じに回復。

それにしても、さがえのコースは難しい。
遠めに見るとただの平坦高速コースなんだけど、簡単そうに見えて意外と難しい部分があり、コーナー重視でノーマルタイヤ(Vittoria Terreno MIX)にするか、直線重視でダイヤ目(Vittoria Terreno DRY)にするか悩む。そして、高速で突っ込むガタガタ区間は隠れた石もゴロゴロしていてパンクのリスクが高い。空気圧も跳ねないように低圧にしたいけど、パンクリスクを考えると低くできない。
そもそも、あのガタガタ区間はレースペースで走ったら自転車ぶっ壊れそう。

昼の試走では、いつも通り光君たち上位陣の後ろに付かせてもらい、ラインを見てみるけど、特別ここが良いと言うラインも無く、そう言う時は上位陣は早々に試走をやめてしまう。

結局、タイヤはノーマルなMIX。上位陣と走る時のコーナーリングに対応すべく、小貝川の時と同じ戦略。空気圧は前後ともパンクリスクを抑えつつギリギリ下げた1.65で。ついでに少し気温が高いのでボトルも持って行く。飲まなくても1時間走れるけど、苦しい時に水を飲むと少しリラックス出来るので、その為に。

スタートは3列目。
やや後方だけど、長い舗装路のさがえのスタートループは好き。昔クリテ職人だった頃の血が騒ぐ。

そしてスタート。
得意意識と言うのは身を助くようで、左右でガシャンガシャンやってるのを上手くすり抜けそこそこポジション上げて本コースへ。
ここから更にポジションを上げていきたいところだけど、中切れ起こしてパックが割れ、先頭列車から置いて行かれる。
差が開かない内にブリッジかけようと自力で追ってみるけど、速過ぎて全然追えず、逆に脚使って後ろに飲まれてしまう。

2周目は第3パックの後方までポジションを下げてしまい15番前後へ。今日は何としてもUCIポイント取りたいので、射程圏内にいるうちに前を追いたい。
そんな時に、若干オーバーペース気味にも見えたけど、チームメイトの佐川君が第3パックを力強くけん引していた。
フィジカルの高い選手なので、協力して追うには良い相手。パックの先頭に出て自分でペースを上げ、協調して前を追うとする。

ところが、後ろでガシャンって音がして、自分だけ中途半端に抜け出した格好に。
アタックかけた訳じゃないけど、出てしまったら後ろを待ってもしょうがないので、前を追いかけてみる。
でも、バックストレートの重馬場の芝区間で失速して後ろに捕まる。
あの芝の区間、ホント苦手だわ~。

しかしまた、パックの先頭を走っていると、テクニカル区間で後ろの誰かがミスって、自分だけ抜け出してしまう。
ここはもう後ろに見切りを付けて独りで前を追う感じ。
ちょうど、前から青木選手も落ちて来ていたのでとりあえず捕まえる。
そのまま千切って行けるかと思ったけど、青木選手もしっかりついて来たのでここからは二人旅。
自分の方が余裕があるので、ペースを上げるために均等ローテは要求せず、苦手な芝区間だけは青木選手に引いてもらう。一カ所だけでも休ませてもらえると、それだけでだいぶ違う。全然休まず引き続けるより高いペースをキープできるので、お互いメリットもある。

そんなこんなしていると、今度は加藤選手が前から落ちてきた。
加藤選手も落ちてきたので余裕がないのかと思いきや、しっかりついてきてここからは3人パックで最後まで走ることに。

3人になっても自分が中心になってけん引しペースをキープする。
とにかくUCIポイントのために前を追いたい。
この時点で11位。前を追わなきゃUCIポイントは取れないけど、10位圏内にギリギリ入った所で、このメンバーのスプリントで負けたらUCIポイントを逃す。でも、現時点では自分が一番余裕ある。
だから、最終局面で勝負できるだけの最低限の脚を残しつつ、コースの8割は自分が引き倒す。
たぶん、ここで変なけん制でもしてたら、逆に後ろに追い付かれていたんじゃないかと思う。
調子の良い時はこう言う場面で勝負に出られるし、そう言う走り方じゃないとやっぱり成績も残せまい。

とは言え、自分の脚の残り具合、他の2人の脚の残り具合、前後のタイム差、残り周回数。全てを計算しながら走る。もう完全にロードレース状態の駆け引き。とにかく頭をフル回転させて走っているから、ピットで欲しい情報が貰えず、思わず怒鳴ってしまった。これはサポートしてくれてるピットスタッフに非常に申し訳なかったと反省しております。

そんな感じで「頼むから誰か1人前から脱落してくれ」と祈りながら追走していると、キナンの選手がメカトラで落ちてきた。
メカトラは勿体無いな~と思いつつ、これで集団先頭を取れば10位。一時は第3パックの後方まで落ちて無理かと思ったけど、いよいよUCIポイントが見えてきた。

しかし、ここで階段の前の何でもないランニングセクションで転んでしまう。
ダメージも少ないし、タイム差も付かず、すぐに追えたけど、一度転ぶと心拍数が跳ね上がってめちゃめちゃ苦しくなる。
ここでパックの2人に置いて行かれそうになってヤバかったけど、なんとか耐えて踏みとどまる。

そうこうしていると前では9位の國井選手もセカンドパックから脱落。
國井選手を捕まえれば、ゴールスプリントで活きの良い加藤選手辺りに負けても10位でUCIポイントが手に入る。
10位狙いの細かい駆け引き仕掛けるより、脚使っても國井選手を捕まえに行きたい。

とは言え、國井選手は単独になってもペースが落ちない。
1周につき1秒か2秒くらいしか詰められないから、手が届きそうで届かない。

そんな感じで最終周回へ。
やはり10位争いの方向へ。

ここへ来て加藤選手がペースアップ。やっぱり脚残していたらしく、パックの最後尾でヒラヒラしながらなんとか耐える。
今度は青木選手が前に出る。しかしけん制気味に引くもんだから思わず前に出てしまう。

「ちょっと早めに前に出ちゃったな~」と思いつつも、オフロードのスプリントだから、後ろにいるよりは前の方が良いし、そのまま先頭を引いて行く。
ただ、先頭だと後ろからの仕掛けが見えないので、どのタイミングで誰が出てくるかドキドキしながら引いていると、最終ピットを過ぎた後の直線で青木選手が仕掛けてきた。

ここで前に出すのは嫌だったので、封じ込めるために自分も加速。
そのままの勢いでロングスプリントへ。ここまで来たら踏み倒すしかない。

青木選手は千切れたけど、加藤選手は離れず追ってくる。やはり脚残ってて手強い。
けど、階段登った後、スロープを下ってダートに入って行く右コーナー。
ここで他の選手よりもクイックに曲がれるイン側のラインを見付けていたので、前にさえいれば自分が有利だった。

そのコーナーを狙い通りイン側できれいに回り、ゴールまでもがき倒してなんとか10位。
やっとUCIポイント取れた。。。

SNEL CYCLOCROSS TEAMはあらゆる面で完璧にサポートしてくれるし、このサポート体制で走らせてもらう以上、UCIポイントくらい取らないといけないと思ってやってきたけど、なかなか取れなかった。
ここ数年は、自分以外は全員UCIポイントを持っている状態で、自分も取らなきゃと思ってやってきたので、正直ホッとしています。

けど、ここで終わりじゃありません。
選手としてひとつの壁を突破できたので、次はその上を目指す戦いです。

実際問題、UCIポイントを持っていれば、今までより前に並べるし、それだけレベルの高いメンバーとレベルの高いレースができる。
これからはUCIポイントをもっと積み増すために戦いなので、引き続き頑張っていきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です